「使徒の喜び」　　０５．０９．０４
　　　　　　　　　　　　　使徒言行録　５：１７〜４２

　イエス・キリストと出会うことで、右往左往しない、落ち着いた、
安心した、揺らぐことのない歩みが始まります。弟子たちもそうでした。
　弟子たちは、権力者たちから、主イエスのことを話してはならないと、
脅しを伴う厳しい命令を受けていました。
　しかし、それでも、イエスさまのことを語り続けていました。
　それによって、再逮捕されてしまいますが、その尋問の際に、
こう言います。「人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません。」(29節)
そう言い切るペトロたちは、自分が生きている場所がはっきりしています。
権力者の前で生きているのではなく、神さまの前で生き、行い、語って
いるのです。
　この弟子たちは、私たちには、真似のできないような、強い意志と信念を
持っていたから、揺らぐことなく、神さまの前で生きられたのでしょうか。
　ペトロは、自分の信念を貫くことのできない情けなさを持っていることを、
痛感させられた人です。「イエスさまのためには命を捨てる」と言いながら、
その数時間後にはイエスさまを知らないと否認した経験を持っています。
　しかし、復活されたイエスさまと出会って、ペトロは情けなさをイエスさまに
さらけ出したらいいことを知らされます。そして、弱さを抱える自分を
イエスさまに委ねきっていた人です。

　神さまの前で生きることは、弱さを含めたすべてを委ねて生きる
ことです。

イエスさまに身を委ね、神さまの前で生きようとする者の周りに、神さまは
不思議なことを起こされます。
　主の天使が、弟子たちを、捕らえられていた牢から不思議な仕方で助け
出します。
　また、不思議と権力者の側から、弟子たちに対する助け舟が出されます。
　この場面は、神さまに従おうとするものを、神さまが支え、守ってくださる
ことが明らかにされる場面です。

　主なる神さまの前で、神さまに従おうとする私たちは、自分の
弱さや、他者を恐れることなく、どっしりと、ゆったりと、安心して
生きられます。